アメリカでphDを目指す

アメリカでphDを目指す

2019年04月26日(金)12:08 PM

彼は、私が教えていた中等教育学校へ高校からの編入学という形で合流してきた帰国子女10名の中の1名でした。
苦手な国語は暗記型の勉強で克服したのですが、数学には特に苦手意識が強く第1志望校の東京大学理科1類に合格するためには、何としてでも数学の力をつけることが目標でした。中等4年生(高校1年生)の後半だったか5年生の初めだったかわかりませんが、私の放課後の特別講習への参加(一緒に受講しても他の生徒のレベルとのギャップが大きかった)という形ではなく、個人的に面倒を見てくれないかという相談があり添削指導を始めました。6年生の時には私が7:00に執務室に行くと、毎日待っていて前日の課題についての質問と解説、次の日の課題指示、私が剣道の部活動や特別講習がない日の放課後には、執務室に来て一緒に勉強という日々でした。この1年間で勉強した内容は大判の大学ノート9冊分あったそうです。指導していると疲れた顔をして「頭が働かないので30分ぐらい寝かせてください」といっていなくなり、しばらくして大丈夫ですからまたお願いしますということが何回も繰り返されました。結婚式でお会いしたお母さんの話では、当時は毎日午前5時に家を出て登校していたそうです。残念なことに受験本番での数学は5,6割程度だったと記憶しています。それでも英語力にものを言わせて無事に東大理科1類に現役合格しました。
合格発表の日の夜に執務室に来て、二人で科挙の話をしたりして喜んだことを覚えています。(同じ日の夜、理科1類を失敗して悔しくて学校の敷地の外周1Km以上は優にありますが、何周も走り回って泣きながら私のところに来た生徒もいました。-結局この生徒は防衛医科大学に進学しましたが)
東京大学工学部応用化学科大学院修士課程の時は、学会で発表中にノーベル賞を受賞された天野先生に質問されたこともあったそうで、とても喜んでメールをくれたことを覚えています。(この間結婚式でお会いした当時彼を指導していた東大の小林先生の話では、天野先生には褒められたのではなくデータについての考え方の甘さを指摘されたようです。そういえば、彼が在籍しているUCSBには研究室は違いますが、ノーベル賞を受賞した中村先生がおられます。-天野先生・中村先生あるいはノーベル賞は彼のあこがれなのでしょうか。もしかして彼がと思ったらロマンですね)彼はこの頃から東大の博士課程に行くか、アメリカの大学院に行くかで悩んでいたようです。(私も何回か相談されました)結局後者の道を選択するために東大は修士で終了、その後2年間の某有名企業での勤務を経て、自分の夢を達成するため2018年9月からカリフォルニア大学サンタバーバラ校のPhDに進学しました。
これに関わる事柄やその後のことは、彼のブログに詳しく書いてありますので是非読んでいただき、読者になって背中を押してあげていただければ幸いです。現在彼は、奨学金・学費免除・給与支給の形でICチップの被膜関係の研究を始めています。そして、日本の大学生などでアメリカのPhDへの進学や留学を希望していて情報が少なくて困っている人たちのためのお役立ちブログを始めました。私が読んでもとても興味深い内容です。リンクしましたので是非ご一読ください。
⇔  数年前に出雲大社で出会った町田の女性と、2019年3月24日に新横浜でめでたく結婚しました。新家庭は、UCSB (カリフォルニア大学サンタバーバラ) です。



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