志賀浩二先生の近況
(志賀先生の近況)
東工大名誉教授の志賀浩二先生が91歳の誕生日を迎えられました。平成13年夏に釧路での北海道算数数学教育会高等学校部会での講演+釧路湖陵高校での公開授業を行っていただいてから、あっという間に20年の歳月が経過しました。志賀先生からのお誘いで桐蔭中等教育学校に赴任したのが、ついこの間のことのように思い出されます。
電話では折に触れお話しさせていただいていましたが、コロナ禍で1年半近くお宅にお邪魔する機会がありませんでした。最近の落ち着いたコロナの状況等から、お電話をして先日お宅にお邪魔させていただき、3時間ほど近況報告や数学についてのお話しをする機会を作っていただきました。
志賀先生はさすがにお年を召した感は見えましたが、途中で散歩に行かれたり、お話をする中で機嫌が良い時のいつもの笑い声を何回も聞くことができました。
それと同時に志賀先生が考えていた数学、数学教育にかける熱い思いに改めて触れさせていただくことができました。私も、多少なりとも頑張って自分が今教えている生徒の皆さんの思いに応えなければと改めて考えさせられた貴重な一日でした。
(追伸)
ノーベル物理学賞を受賞したプリンストン大学の真鍋先生が東大修士課程在籍時に、志賀先生も矢野健太郎先生の下で修士課程に在籍していました。正しく奇遇です。
[高校生・大学生の皆さんへ]
現在、日本評論社から志賀先生の「数の大航海」の第3刷が発売されています。
私がとっても大好きな本の一つです。数学のダイナミズムが実感できる本だと思い
ます。皆さんが数学に興味をもつ糸口になれる本だと思います。
内容は、対数の成り立ちと歴史的必然性から始まり、対数の無限等価性と複素数へ
までです。是非1度読んで志賀先生の数学観を感じていただければと思います。
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