小中全国学力テスト数学雑感

小中全国学力テスト数学雑感

2017年09月15日(金)10:49 AM

9月4日9:30の産経yahoo-ニュースで、2017年度小・中全国学力テストの結果と分析が取り上げられていました。
国語と算数・数学について「A問題(知識を問う問題)」と「B問題(知識の活用力を問う問題)」がそれぞれ実施され、「A問題」に比べ、「B問題」への苦手意識が改めて浮き彫りになったと報じられていました。
 特に、算数・数学の「B問題」の平均正答率は5割以下と低く、「B問題」に関しては全国学力テストが始まった当初から課題が指摘され、授業の改善が求められていると結ばれていました。
 ちなみに、国語の平均正答率は小6のA問題は74.9%、B問題は57.6%、中3ではA問題77.8%、B問題72,7%に対して、算数・数学では小6のA問題78.8%、B問題46.2%、中3ではA問題65.2%、B問題48.7%だったそうです。
 確かに、
小学生の算数B、中学生の数学Bの平均正答率の圧倒的な低さが目立ちます。ただ、この傾向は全国学力テストが始まった当初から指摘されていたことで、この点についての改善が現在までに十分になされていないことにこそ問題がありそうです。第10回を見かえた全国学力テストの問題点として、各都道府県別や学校別の平均正答率がよく話題になる反面、上記の点について話題が上がらなくなった点は、「あきらめてしまった」ということなのでしょうか。そんなことはないと思うのですが、この点をどうするかという観点を置き去りにして、「アクティブラーニング」や「探求」などの教育機器の活用や授業での取り扱いに注目させる前に、個人に任せられていた知的好奇心の喚起や幾何の論証だけに頼った論理的な思考力の養成を見直すことが必要のように思います。後者については、3年前の学習指導要領の改訂で、それまで各学校の考え方に任されていた「整数」分野の学習が必修分野として教科書にも記載されるようになりました。残念ながら前者については、各教員の考え方に任されているのが実情です。しかし、「ローソクの科学」などでも指摘されているように、小中学校時代にどのように触れ合うかでその後の考え方が大きく変わることは明らかです。私は、大学時代「数学史を学ばずして数学を語るなかれ」と教わりました。何かを研究する上で、このようなことを知っていることはとても大切なことだと思うのですが如何でしょう。
 日本に初めて中等教育学校という形の学校が全国に7校開校されたおりに、東京工業大学名誉教授の志賀浩二先生が執筆した「中高一貫コース数学1~5」を使って授業をするために呼ばれて、私は北海道の公立高校から現在非常勤講師をしている私立中高一貫校に移りました。岩波書店発行のこの本を読んでいただければわかるように、論証は幾何ではなく整数を使って行っています。こういう教育が15年前にすでに行われていました。また、その教科書の付属書として「数学1を楽しむ~数学5を楽しむ」という知的好奇心を高めるものも合わせて出版されています。機会があれば一度読んでみてください。書店で手に入らない場合は、当塾にございますのでご相談ください。
 いずれにしても、これらを改善する特効薬が最近流行の「アクティブラーニング」、「探求」だとは考えていません。もちろん何らかの効果があるでしょうが、その方法がすべてだと考えるには過去の長い学習指導要領の流れからは即断できません。本当に大切なことは丁寧に1つ1つ理由を明示して知識を積み重ねることで、学校で地道な授業指導をすることが難しくなっていることこそ改善点のポイントだと思うのですが如何でしょうか

 全く宿題・課題がない学校、その逆の宿題・課題の内容が易しい問題を大量にやらせるだけで終わってしまっている学校、この辺について何か感じることがあるように思っています。
 



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