第1回東大模試あれこれ

第1回東大模試あれこれ

2017年09月19日(火)3:36 PM

8月恒例の第1回河合塾東大即応オープンと第1回駿台東大実戦模試がそれぞれ行われました。(代々木については省略します)
新学習指導要領の目玉である「複素数平面」の問題がどのような視点で出題されたか興味深く思っていたのですが、両方の問題を目にする機会があったので、それについての雑感を述べてみようと思います。
① 河合即応オープン
  理系の第3問で出題されました。
  「変換」という視点でいろいろな迫り方をまとめさせる上でとても適した問題でした。「東大」模試ではなく「全統模試」で出題して受験生にまとめ
 方を教える問題として使ってもよかったように思います。この分野で学習したことを使ってどのように問題を解析していくかがちょうどよいレベルで作 題された良問だと思います。以下解答の内容に触れます。
  「複素数zを使って|z-i|≤1と表されたとき、αzの実部は-1以上1以下であるような複素数αの領域を作図させる問題です。」
  ア、ω=αzとして考えると、最も簡単な扱い方はz=ω/α (α≠0)としてzの条件式をωの条件式に書き換え、それを基にωの実部が-1以上1以下であるよう
 な条件を導き出して、最後はα=x+yi (x,y∈R) として、x,yの不等式から求める領域を考えればよい。
  イ、zとωの関係式が与えられたときに、簡単について解ける形はあまりありません(ω=z+ 1/z など)。そのときの扱い方はz=r(c0sΘ+isinΘ) (r>0 , 
0≤Θ<2π ⇒この問題では、z-i=r(cosΘ+isinΘ)として、0≤r≤1 , 0≤Θ<2π)としてzの条件を処理、αzの条件を処理するためにα=x+yi としてαzの実部の条件-1≤r(xcosΘ-ysinΘ)-y≤1を求めて最小値・最大値からx,yの不等式を求める。
  ウ、3つ目の方法は、基本に忠実にz=a+bi , α=x+yiとして与えられた条件を、a^2+(b-1)^2≤1 ⊂ αzの実部-1≤ax-by≤1を満たすx,yの不等式を求める。
  このようにこの問題の解答として、複素数平面のこの手の問題の代表的な扱い方(ベクトル系もあるが)が網羅されています。後は、回転系の扱い方だ
 けですね。
② 駿台実戦模試
  理系の第1問で出題されました。
  帰納的に定義されたz0=1 , zn+1=αznからzn=α^nはわかります。
  α=a+bi=r(cosΘ+isinΘ) r>0 , 0≤Θ<2πとすると、ド・モアブルの定理から zn=r^n(cosnΘ+isinnΘ)とかける。
  条件・x3<0かつy3>0 → π/6<Θ<π/3 , 5π/6<Θ<π , 3π/2 <Θ<5π/3
    ・xn>かつyn=0 → nΘ=2kπ (k∈Z)となる最小の正の整数nが16 ⇔ Θ=2mπ/16 (m∈Z , mは16と互いに素) ⇔ Θ=mπ/8 m=1~15 の奇数
  2つの条件を同時に満たすΘは Θ=7π/8 , 13π/8  よって b/a=-√2 +1 , -√2 -1
  文字を使って一般的な問題のように提示しているが、具体的に0≤Θ<2πの範囲で意味を考えると簡単に答えることができる。
  この問題の出題の意図は偏角arg zn を考えさせるもので、昨年、今年と2年続いた東大の過去問を意識しながら作題している。駿台恒例の第1回東大模試はその年の東大入試問題の類題中心に出題するというパターンに当てはまるものです。そのため河合のようにこの分野の学習のまとめの評価という観点より傾向と対策を意識させることが狙いのため、この問題ができたかどうかというよりは昨年、今年の過去問をやり直して偏角の扱い方をまとめた方がずっと受験対策になると思います。駿台が第2回にどのように狙いで出題してくるかが問われます。

 


  



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