2019神奈川公立高校入試数学

2019神奈川公立高校入試数学

2019年04月06日(土)10:45 AM

3月中旬、今年の神奈川県公立高校入試を受験した上で、結局私立中高一貫校に進学することを決めた生徒の方から、体験授業の受講希望がありました。
その際、今年の公立高校入試問題を使って解説等を行って欲しいという保護者の強い希望がありました。私的に非常に面白かったのでここで紹介します。
県のホームページから問題を印刷して読ませてもらったのですが、問題をさがす過程でいくつかのサイトを見ました。そこでは、神奈川県の高校入試の数学は「他県に比べて難しい」、「今年は特に難しく平均点は40点台前半」、「進学校の合否は特色入試があるのだから、全体が受験する問題としてはどうかと思う」… … 。という「難しさ」や「妥当でない」を強調する意見のオンパレードでした。私も過去に他県の公立高校の入試問題について若干かかわった経験があったので、体験授業の準備というより、皆さんが難しいといっている中身を分析したいと考えて問題を読みました。
どの県でも(受験生のレベルによる程度の差はあり、大学受験問題でも同様ですが)、このような入試の出題のポイントとして、特に学力の分布が広い層の受験者がいる場合は、前半で基礎的な力を計りながら、失礼な言い方かを知れませんが30点程度の基礎点を与える問題を用意します。(センター試験の出題でも同様です)そのため、難しい問題群であっても思ったほど平均点は低くなりません。ただ中間層が薄くなり上位層と下位層の2極分化が激しくなるだけで表面的には、あまり変わり映えしない結果になるのです。これを配点のマジックと私は読んでいます。上位層はほとんど関係ありません。
このような出題になったときの問題としては、ボーダーラインにあたる中間層の序列化ができないため、この科目は「試験をやらなかった」ことと同じ結果になります。今年の大学受験問題でいえば、日本医科大学医学部の前期試験の数学がこれにあたります。
以上、全体的な前置きはこれまでにして、今年の出題された問題の特徴を詳しく見ていきます。
① 問1、問2と問3の(ア)が基礎点を与える問題です。
② 問3(イ)は、線分比から面積比を求める問題で「比」を扱う場合の代表的な問題でメネラウスの定理で解決します。⇒(高校数学A「平面図形」では必須)
③ 問4は一見すると2次関数の問題ですが、それぞれの座標をどのように求めるかという解答の流れとしては単純な問題です。
  核心となるのは、AB//x軸より角の相等がいえることに注意すると、△ADB∽△GEB (点Gは線分ABとy軸の交点) がわかって一気に計算が進みます。時
  間内で解くという観点から考えると、中間層以上の受験生の試験結果に大きな影響を与えた問題です。
  ⇒(高校数学Ⅰ「2次関数」ではこのようなグラフの扱い方はしません。中学数学独特の観点で、どちらかというと数学Bのベクトルの発想です)
④ 問5は2つの操作の関連性の意味が読み取れたかどうかの問題です。難しくするために変にこねくり回していない問題で文句なしの良問です。
⑤ 第6問は表面積と切断面の面積なので「直角」や辺の相等に注目すれば(ア)、(イ)は簡単、(ウ)は最短経路の問題から展開図で見るとまたもや問4の形の
  相似な三角形が出現する。問6は、全体試験時間の配分の関係から(ア)、(イ)の一方は省いてもよかったと思います。
  ⇒(空間認識という点からは、高校数学Ⅰ「図形と計量」でしょうか)
全体的にみると「相似」と「比」のオンパレードで、学校で教えるユークリッド幾何が平面の幾何学であるという弱点から、空間で意味をもつ「比の考え方」を中学校の授業の中できちんと消化して欲しいという、出題する側の思いが強く出ている問題群だと思います。
蛇足かもしれませんが、首都圏の公立中学・高校で教える側、特に神奈川県では私立中学・高校何するものぞという挑戦的な意識が公立高校および私立中高一貫校で数学を教えていた経験をもつ私には強く感じられました。皆さんは如何でしたか。今回の体験授業でとても貴重な経験をさせてもらいました。
体験授業を希望した生徒及び保護者の方に感謝しております。(残念ながら、自宅が登戸ということで当塾の平常講習への参加はいただけませんでした)
これを見た方で数学に興味や苦手意識のある方の体験授業(無料-60分程度)への参加を歓迎します。



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