2015入試-センター数学

2015入試-センター数学

2015年03月28日(土)6:12 PM

 私にとって、高校教員としての最後の受験指導でした。手を加えながらむざむざ不合格にしてしまった生徒や、多数の生徒の中であんまり手を加えられず不合格になるのを見ているだけだった生徒、今年こそは一人でも少なくしたいという思いの中でやはり失敗を重ねてしまいました。生徒諸君に対して誠に申し訳ない限りです。来年は、高校教員としてではなく一人の塾の講師としてこの反省に立って指導をしていく決意です。
 さて、平成27年度入試における数学の教科としての位置を考えるために、国公立大学受験者にとっての入口にあたるセンター試験から見てみます。
[数学Ⅰ・A]
 第1問は2次関数を与えて、定番の頂点の座標と平行移動、そして最大・最小問題とグラフを使った2次不等式の問題です。
 第2問は[1] は、毎年出題されていた必要十分条件の問題を一ひねりした対偶、命題の真偽に関する出題です。前者は否定の取り方と対偶の定義の理解で、後者は要領のよさで切り抜けられる問題レベルです。[2] は、出題傾向としては定番の三角比の応用問題です。最後の半径Rの取りうる値の範囲のうちの最小値で多少差がつきました。
 第3問は新学習指導要領の目玉となる「データの分析」問題でした。この分野は、ヒストグラム・箱ひげ図までの前半部と散布図・相関表にいたる分散、相関係数の計算とその意味という昨年度までは数学Ⅱ・Bの選択問題だった分野から出題された後半部に分かれます。出題量が読みこなしを含めて相当あり、この分野の理解ができていない受験生にとっては苦しかったようです。分野の特徴を押さえた学習法で差がつきました。
 第4問、第5問、第6問は選択問題ですが、順当に第4問を選択すればよかったのではないでしょうか。数える数の少なさから具体的に対処できる範囲です。
 数学Ⅰ・A全体では、新しい「データの分析」分野に気を配りすぎた結果、他の問題が時間がかからない扱いやすい問題設定となり、やさしくなったように思います。
[数学Ⅱ・B]
 第1問 [1] はベクトルOQ=OP+PQ という発想があればスムーズに答えられる。すなわち、ベクトル的な見方が要求される点に慣れていない受験生には戸惑いがあったかもしれません。最初の問題としては、無用な混乱を与える問題で、単独であれば良問といえても、ここではフェアではない問題のように思えます。
 第1問 [2] は(2)のアイデアが先にありそれに惚れてしまった結果、(1)の誘導をつけた問題といえそうです。
 第2問 (1) は微分の定義にかかわる内容の出題です。数学Ⅱの教科書における微分の扱い方を「無視」したような出題と思えます。数Ⅱでは、無限とか極限的な微分の意味は軽く流して計算的な側面を主にしている教科書の扱いと真逆の出題です。数学的に重要な事項からの出題ですが、慶應大学経済の数学受験の最後の問題で「積の微分公式」の証明が出題されたことと同様、文系の受験生にとっては不利でしょう。
 第2問 (2) は、どうということのない計算問題です。
 第3問、第4問、第5問はいずれか2題選択する問題ですが、やりなれていない受験生にとっては高得点を取る必要のあるセンター試験の選択問題と考えると、第5問の選択はあり得ないので第3問、第4問を評価することにします。
 第3問は漸化式の問題です。(1) が解決し(2)も誘導にのって解決できたとしても(3)、(4)は周期性を前提にした問題のため、同種の問題が出題された2009年度の数列問題と同様に難しかったと思います。
 第4問は数年続いた空間ベクトル問題から平面ベクトル問題となった分易しくなったように思えます。聞かれていることも誘導にのっていけば重要事項として学習してきたことなので、最後の中学校で学ぶ面積比以外にはつまるところはありません。
 数学Ⅱ・Bの出題の特徴として、難易だけでなく計算量が時間内に収まるレベルかどうかという視点も重要な要素です。
 特に、ベクトル問題で a , b , c という文字が8か所も空欄に入ったり、周期性のある計算が大変な数列問題を出したりという首をかしげる出題が目立ったにも関わらず、配点の綾で平均点を確保した2009年度数学Ⅱ・Bの失敗に懲りず、共通一次試験時代からみても初めて全国平均点が40点台を切って39.9点となった今年の試験は、センター試験で将来を左右される多くの受験生に対して問題があったように思います。試験の出題者は自戒していただきたいと思います。
 ただ、2次試験の問題として出題された場合は、第1問にしても第3問にしても良問だという認識は持っております。60分の試験の出題としては、解答のリズムが大きく狂わせられた出題だったといえます。



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