京都大学医問題分析

京都大学医問題分析

2015年03月18日(水)12:42 PM

数学  150分  6題
第1問は、よく出題されるサインカーブの位相のずれで囲まれる図形の体積問題です。定義域が 0<=x<=π/2 より具体化し易く、交点のx座標を求めれば処理できる問題です。
これは完答しなければいけないでしょう。

第2問と第4問は、昨年の同種の問題設定の第3問と対比すると面白い。
昨年の第3問は図形から正弦定理が見え、苦労せずに面積を与える式が求まり、その後存在条件により増減表を作る計算でした。一方、今年の第2問は幾何的な問題特有の「図形の形が変わるときは場合分け」という鉄則を忘れると大幅減点になる問題設定でした。

また、第4問は、空間図形ですが、平面PDQを考えると余弦定理が活躍する設定ですから、ベクトル的な処理が見えれば後は、関数の立式も増減表も一本道の問題です。この3題の難易度は、第4問<昨年の第3問<=第2問のように思います。さらに、忘れてはならないことは、最も効率的だと思われる立式までの過程が、ベクトル、図形と計量、初等幾何とそろい踏みになっていることです。過去の出題でも京都大学の図形問題は、幾何的な処理の論理性が重視されるといわれていますから、京大命の関西圏の人には迷うことのない問題ではなかったのでしょうか。第4問は計算処理に注意して完答したい。第2問は案外片方だけで済ませてしまっている人もいたのではないかと思います。第2問、第4問の得点が合否を分けたように思います。
第3問は、これこそ微分法の手慣れた問題であり、問題文を読めば自然に解答記述が見えるレベルの問題だと思います。(2) で迷う人もいるかもしれませんが、これこそ完答しなければいけない問題だと私は思います。
第5問は、これは無理でしょう。何を論じればよいかで絞込みをした同値命題を提示するところまでかけたら十分でしょう。後は時間の無駄だと思いますがいかがでしょう。
第6問は、時間があればn=1,2,3,……として考える余地もあるが、とにかく題意を読み解けるかどうかが勝負で、時間内の切迫した状況でやるべき問題だとは思えません。
以上から、高校数学の王道であり、数学Ⅲの代表的な問題である第1問、第3問を片付けた上で、第4問→第2問とやっていくべきでしょう。医学部では3完半は絶対に欲しいと思います。

英語  120分  3題

例年和訳/英訳のみの出題がほとんどですが、今年度の英文読解は内容説明や空所補充と、傾向が大きく変化した出題でした。英文自体の分量は減少し、文構造で極めて複雑な箇所はないため、全体的に例年並みの難易度でしょう。
第1問の読解は「原理、構造が機能を規定する考え方」が文のテーマになっており、これが読み取れたかが合否の分かれ目でした。和訳問題は京大では何度も問われてきた息の長い文章であり、構文も一部を除いて標準的でした。説明問題もこの点が理解できているかが直接問われている設問でした。
第2問の読解は「『無』とは何か」という極めて抽象的な文章でしたが英文として難しい箇所はあまりありませんでした。空所補充も前方の段落から解答が容易に決まったことでしょう。和訳問題は分量もほどほどであり、英語として難しい箇所もありません。「傍線部の指示内容を含む和訳」という、東大(第4B)が好んで出題するタイプでした。
第3問の英作文(和文英訳)では(1)が会話文形式と真新しい出題でした。構文の決定に戸惑う文章で、京大対策を行った人と不十分であった人とで差が出る問題でした。(2)は例年どおりの形式で、字面に束縛されず「問題文全体の内容を(リライトして)伝える方針」での英訳が求められる出題でした。この点は京大頻出と言えるでしょう。

国語 90分  3題
例年通りの出題ですが、わずかに記述分量が増加しました。現代文は出題文の関係でやや易化し、古文は昨年並です。
現代文は二問とも例年の「どういうことか」の内容説明が主でしたが、今年は「筆者がそう考える理由」を説明させる問題が主となり、より筆者のメッセージが鍵になると思います。
第1問は、理文共通の随筆で、京大頻出の文章論でした。段落ごとの要旨を丁寧におさえることができれば、答案作成上難所もなく標準的な出題でした。不得手な受験生は、漢字問題が出題されず、論述量が多かったため苦戦したようです。
第2問は、理系のみの評論で、情報・報道論でした。分量はやや増加しましたが、文章の論旨が明快なためさほど影響はないものと思われます。文章は情報に囲まれて現代社会を生きる我々にとって極めて示唆に富む内容でした。
第3問は、
古文は京大頻出の和歌のある問題文でした。例年ならば理系は逐語訳の能力が問われる出題だったのに対し、今年は逐語訳だけでは済まない本文の深い理解が必要な出題でした。現代語訳の出題分量が減ったこともその証左でしょう

理科 2科目 180
物理 3題
京都大学では出題範囲には入っていたが近年出題の無かった原子物理が出題されたことは特筆できます。 また、解答過程を記す記述問題は出題されませんでした。受験していません。

化学 4
出題分量は昨年同様で、内容も全般的に真新しいものはありませんでした。しかし一部状態の把握や計算が煩雑であったり、解答に戸惑う箇所もあったりと受験生を悩ませる出題も一部みられました。難易度としては人によっては昨年よりわずかに難化と言えると思います。
第1問は、
近年出題されておらす出題が予測されていた電気化学からの出題でした。基本的な出題であり、計算量も煩雑ではありませんでした。
第2問は、
(A)では標準的な気体の問題であり、入試対策を十分に行った受験生であれば落ち着いて得点したい問題でした。(B)はヘンリーの法則の問題でした。他大学でも数々出題されていましたが、本分野が出題されると決まって正答率が下がり、十分に差のつく問題となると思います。本問は誘導に乗って解答すれば、習熟した受験生にとってたやすく完答できる問題でしょう。
第3問は、(A)では分子式が大方与えられていないままではあるものの情報を丁寧に追えば易しい問題でした。(B)は中和の量的関係や環状化合物の存在を考慮する必要がありますが、よく対策した受験生にとっては易しい問題でした。
第4問は、
近年出題されておらす出題が予測されていた核酸からの出題でした。物理化学選択の受験生の手薄な分野からの出題で、細かい知識を問われる問題で失点がかさんだ受験生もいることでしょう。このような知識問題は京大受験生であれば全問完答すべき問題です。

生物 4題
出題分量、内容は昨年並で、京大レベルの広く浅い内容で深い考察と比較的分量の多い記述力が問われました。例年、解答用紙の論述問題は「□枠」のみが記載されていましたが、今年度は昔の形にならって□枠に行罫線が引かれていました。これにより解答分量がある程度明示された形になるでしょう。
第1問
(A)は、光合成について、教科書レベルの知識が深く問われる良問でした。出題文から解答の方針が読み取れるので京大受験生であれば楽に解答できたでしょう。新課程の要素もある問題でした。(B)は京大頻出の遺伝子のパズル的要素のある問題でしたが、本番で戸惑った人も多かったことでしょう。
第2問
(A)は、基本レベルの知識問題です。(B)は旧課程ではよく出題された遺伝計算であり、よほど習熟した受験生でないと難しく、現役生は大幅に失点したことでしょう。
第3問
も基本的知識のみで解答が可能なやや易しい問題でした。ミオシンフィラメントに弾性があることに気づく必要のある問題がありましたが、グラフの読解からイメージできれば有利です。
第4問は、
例年通りの個体群の問題です。問題文にヒントこそ少なかったものの、生物同士の関係がイメージできるか否かが問われる出題でした。最後の小問で、新課程から新しく教科書に記載される語句が直接出題され、高卒生は軒並み失点したようです。

(英語、国語、理科については実際の受験生の感想を掲出しました) 

(適塾横浜)



«   |   »

  |  

過去の記事

 

 

Return to Top ▲Return to Top ▲