東京大学問題分析

東京大学問題分析

2015年03月16日(月)2:23 PM

理系    150分  6題     120点
第1問は、典型的な実数解問題です。昨年度の同種の問題に比べるとはるかに易しい問題で、完答したい。
第2問は、B,C,Dをひとまとめにすれば、文系と同じ考え方ができる問題です。AAの左をPn、右側をqn、B,C,Dをrnとするとpn+qn+rn=1となり、2012年度の三角形の中の経路問題の漸化式と同様に考えることができます。そんなにやさしくはないが、過去問をやっていた人については、アイデアは使えた問題でした。
第3問は、(1)で定数分離して微分して増減表を作り、グラフをかけばできます。(2)も積分∫(logx)^2dxができればできます。すなわち、微分と積分の計算ができれば十分に対応できる問題です。
第4問は、受験問題的には、昔よく出題された行列の要素間の漸化式問題ですが、フィボナッチ数列の1つ飛ばしの数列で、カッシーニ・シムソンの定理というものだそうです。ちなみにこの定理の証明も数学的帰納法です。よって、解答も(1)と(3)は苦しかったらまず「帰納法」を使ってみるとうまくいきます。私の昨年、今年の講習では、nを変数とする命題で結論が与えられている場合は、「失敗してもよいから帰納法を使ってみよう。今なら失敗しても許される。」とアドバイスを与えましたがどうでしたか。「アイデアがなくても、構造で論証してくれるのが数学的帰納法のよさです」。背理法の使い方は強調するのですが帰納法の使い方はどうでしょうか。当然「使える」、「使う」としてしまうところがいけないように思いますが、いかがでしょう。
第5問は、再現答案を書いてもらった生徒の1人が、n=1,2,3, … … としてn=17までやって完答しました。有名塾などの解答は、格調高く一般性に留意した素晴らしい解答ですが、限られた試験時間の中でないものねだりのような解答だと思えます。問題文の「最小のn」という言葉から、具体的にn=1,2,3, … … としてやっていくと2^△の問題だということは十分に気付ける問題です。もちろん、問題設定でいかようにも変化しますが、少なくとも整数問題では「具体化して考える」という鉄則が生きる問題ではなかったのでしょうか。特別なことを教わっていない人や小中学生のほうができる問題のように思えます。
第6問は、問題文から「積分の不等式」を使う論証であることに気づけばよいのですが、私の授業中でも、数列の極限や区分求積法の論証などを悠々できる生徒も教科書244ページにある「定積分と不等式」のこの定理を使いこなせた生徒は少数です。私の指導の仕方の問題だと思っています。来年こそは … …

文系  100分  4題     80点
第1問は、命題の真偽の判定と論証でした。論証は別にして真偽の判定は比較的予想できた問題だったと思います。(1) は左辺の100をとって考えるとn^3/26とn^2の比較です。偽と予想すると、理系の第5問同様に n-1,2,3,…… としてみますか。3次関数と2次関数のグラフの形を考えながら調べていくと符号の変化の臭いがしてきませんか。
(2) は、変数を少なくすると後は式の臭いを感じるだけでしょう。(2)は真より同値変形です。こちらでやることは式変形ですから、やりやすいですね。
真を論じることと偽を論じることの意味の違いを押さえているかどうかは、この問題の得点に大きく影響を与えたと思います。
第2問は、「通過領域の問題」という受験的には有名問題です。その点では理系の第1問と同系統といえるのですが、式をまとめる操作は、昨年の通過領域の問題と同レベルだといえます。「大学への数学」や「1対1対応」という雑誌で勉強している人にとってはしめたといえる問題かもしれません。ただし、式の評価をきちんとできないと何が何やらわからなくなってしまうので注意したい。
第3問は、既にのべましたが2円の半径 r1とr2 に関する2変数の最大最小問題です。ところがこの問題は、理系のような予選決勝問題ではなく、一橋のような r1とr2 の関係式が簡単に求まり、1変数の最大最小問題になります。昨年度の理系のような変域をまとめる難しさもないことから、これこそはできて欲しいと思う問題です。
第4問は、理系の第2問の類題です。考え方は理系と全く同じで2012年度入試の再戦でした。ただ、当時も得点率は低かった点を考えると、いくら脱ゆとり世代とはいえ難しかったと思われます。

まとめ
理系は、合格に関わるレベルの人たちの得点分布はほぼ前年並みか、やや上だと思われます。他の教科の得点にもかかわりますが、50点台あれば合格には十分でしょう。その点で考えると、第1問と第3問は何としても完答して40点取れたとすると、後の15,6点は部分点で十分に稼げます。ということは、合否は難しいと思われる問題ができたかどうかではなく、比較的易しい第1問と第3問の完答で決まったようです。
一方、文系は第3問の完答で20点、後は部分点で15,6点の35,6点で問題ないレベルでしょう。
以上から、何をやるかという問題選択を間違えなかった人、取れるところでケアレスミスをしなかった人、自分には無理な問題でもあきらめずに部分点狙いに徹し、問題文を読み具体的に理解しようといろいろな手立てを考えて、それを要領よく記述できた人が合格した人です。天才型の人や合格者の上位1/3の人のまねをせず、自分に徹しきれれば自然に合格得点は集まってくると私は考えて指導をしています。

英語 120分   120点
第1問は、(B)の見慣れないアに少し戸惑う。
第2問は、(A)会話文を作ると思っていたので予想と違ったが、こちらのほうが楽だった。(B)駿台模試の諺系と同様だったが、今回は意味がつかめないものではなかったので問題はなかった。
第3問は、(B)の設問の作り方がいつもよりややっこしかった。
第4問は、(B)がいつもより日本語を作りやすい文に思えた。
第5問は、慣用句の推測もなく、読解問題がなくていつもの東大らしい出題ではなかった。つまらないしやりづらく、解答に自信がもてなかった。
例年同様かやや面倒だったように思えるが、自分はよくできたように思えた。
(参考) 感想を書いてくれた人は、第5問→第4問→第1問(B)→第1問(A)は読む→第3問→第1問(A)を書く→第2問 という順番でいつもやるそうです。

国語 100分   80点
第1問は、言ってる内容は簡単で、設問は標準でした。個人的に興味がそそられる設問ではなかった。
第2問は、最近の東大と変わらない感じで、Z会東大コース2月の出題分が的中して驚いた。
第3問は、簡単でした。
例年より易しかったように思える。

(適塾横浜)



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